実家に立ち寄ると、祖父が姪っ子を描いたという油絵があった。迫力がありすぎて全然かわいくないし、嫌がらせのように鼻の穴が強調されている。おまけになぞの悲壮感が漂い、どんな世界観を持っていたら四歳児からこんな悲壮感を感じられるのだろうかと呆れてしまう。はっきり言ってやばい。姪っ子が物心ついたら困惑すること必至。
そんなとき、“すごいね” という言葉は便利だ。母親も “すごい” と言っていた。本人に渡しても義姉さんが困るだろうから、無理矢理な理由をつけて実家に置くことにしたそうだ。
伊集院さんのラジオでやっている “じっかるた(実家あるあるカルタ)” のネタになりそうだなと思う。
“祖父が家族を描いた変な肖像画が捨てるに捨てられずとってある” とか。
実家では、今だに私あてに届く郵便物を回収し、カルピスとロールケーキとトウモロコシを強奪してきた。