正月の神社は賑やかだったな。どうせ神社に行くなら静けさを味わいたかったのに。
神社ってだいたい木に囲まれてるからあまり風がないよね。それが神社ならではの雰囲気と相まって、とても静かな感じがして気持ちいい。たとえ目の前に大きな道路があっても音が遠く感じる。
何年か前、千葉にある友達の実家を訪ねたとき、散歩のついでに有名な神社に連れていってもらった。
麻賀多神社といって、大きくもないし、観光で賑わっているわけでもないし、私も知らなかったんだけど、大きなご神木があったり、神話かなにかで重要な場所だったり、なにかと有名なんだそうな。
確かに、普通の神社より意味あり気な構造物が目についたけど、どの神社もよく見るとそうかも知れないし、ほかの神社をよく見ていないだけかも知れない。でも、その時に味わった感覚は独特で、今でも強く印象に残っている。
麻賀多神社の中に入ると、強かった風がぴたりと止んだ。すると、周りがかなりの田舎なので本当に静か。鳥もあまり鳴いていない。視界の中にも動くものもがなく、こぼれ日さえ揺れていない。そんな状況が重なって、まるで時間が止まっているような、絵の中にいるような感覚になった。
たったそれだけなんだけど、きっと特別な場所なんだなと自然に思えたんだよね。
ご神木は有名だけあってむちゃくちゃ大きかったけど、樹齢は忘れたので調べなおしたところ、なんと推定1400歳。飛鳥時代の大化改新の頃に生えてきた木だって考えるとすごい。